普通になれなくてごめんなさい



ちっちゃい頃は頑張れてた。




塾では1番の成績だったから、みんなが褒めてくれるから、そこから落ちるのが怖くて怖くて必死に勉強した。周りの人にがっかりされたくなかった。今頑張れば、明るいキラキラした未来が待ってるんだと思っていた。

従兄弟も皆んなエリートやから、私もそうならないとって思ってた。



お風呂で寝落ちして溺死寸前まで勉強した結果、無事第一志望の進学校に合格した。嬉しかった。みんなの期待に応えることができて安心した。合格発表の夜は、久しぶりにぐっすり眠れた。





やのに今らあの頃の、頑張れてた自分はどこへ行ってしまったんだろう。なんで私はこんなに弱いんだろう、ダメなんだろう。みんなが当たり前にできることがなんで出来へんのやろ。



精神科で貰ったクスリも全然効かない。ご飯の代わりに精神薬。あれって噛んだら美味しくない。まぁ甘くないラムネと思えば悪くない。



お父さんもお母さんも、出来る限りのことをしてくれて、何不自由なく育ててくれて。なのに何で私は普通にすらなれないんだろう。

もう還暦も近いのに、こんなんじゃ老後の負担を増やしてしまってるだけやん。


周りの人をしあわせにしたいのに、私がおると不幸にさせてしまう。



お父さん、お母さんごめんなさい。

私が娘でごめんなさい、迷惑ばかりかけてごめんなさい。お前が死ねばいいのにってずっと頭の中でも聞こえる。


そうやんな、私がおらんかったら家は平和やもんな。家から出なくちゃな、もう一人で誰にも頼らず生きていかなくちゃな。



いい歳して情けないなぁ。どっか遠くへ消えてしまいたいなぁ。世間体ばっかり気にして生きてきたから、世間から外れることが怖くて怖くて仕方ない。




普通って難しいなぁ。